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1型糖尿病を持病に持つAkiRaの闘病記。 現在、MTBレース出場を目指してトレーニング中。
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 何らかの原因で膵臓の一部の機能が低下し、血糖値をコントロールするインスリンの分泌量が著しく減少する(=その結果、血糖値が上昇する)病気。
 インスリンを(注射により)体外から摂取する必要があり、それを怠ると最悪の場合は死に至る。
 糖尿病の95%を占める『2型糖尿病』とは異なり、遺伝的要因や生活習慣が発症の直接の原因となることは少ないと言われている。
 
 患者の間では『インスリン依存型糖尿病(IDDM)』と呼ばれることも多いが、IDDMには進行性の2型糖尿病も含まれるため、『IDDM=1型糖尿病』の図式は成り立たない。
(IDDMとは『insulin dependent diabetes mellitus』の略)
 また、若い世代に多いことから、『若年性糖尿病』あるいは『小児糖尿病』とも称されるが、中高年の患者もまれに存在する。

 なお、血糖値のコントロールが悪い状態が長期間続くと、さまざまな合併症を引き起こす可能性がある(これは2型糖尿病においても同様)。

 自然に完治することはまず有り得ないが、インスリン注射と適切な自己管理(食事や運動など)を行うことで血糖値を良好に保ち、健康な者とほとんど変わらない生活を送ることは可能。

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dm1.jpg 小型の機械を用いて、患者自身が血糖値を測定すること。
 穿刺用の細い針で指先から少量の血液を採取し、それを染み込ませたチップを測定器に差し込めば十数秒で結果が出る。
 場所を選ばないので、わざわざ病院に足を運ばなくとも血糖値を知ることができて便利。

 糖尿病患者は常に自らの血糖値をコントロールしていかねばならないため、特に1型などインスリンを用いている(=血糖値の変動が激しくなりやすい)場合は必須となる。
(1型、2型を問わず、インスリン療法を行っている場合は健康保険適用となり、必要なものは病院から給付される)
 
 1日における血糖測定の回数は患者により異なるが、インスリン注射の回数に合わせて1~4回くらい。

→AkiRaのケースでは、インスリン注射が1日5回で、血糖測定は1日4回(毎食前、就寝前)が基本(2007年1月時点)。

 なお、血糖値の正常値は空腹時(食前)で70~110mg/dl前後。
 画像は、AkiRaが2007年1月時点で使用している血糖測定用セット(血糖測定器、採血用穿刺器具、測定用チップ)。
 ガラス面にひびが入っているのはうっかり落として割ったせい。
 数年使っていると、どうしても扱いは雑になるもので……。


dm2.jpg インスリン(インシュリン)とは、膵臓から分泌されるホルモンの一種で、血液中の糖質(ブドウ糖)をエネルギーに変換する際に必要。

 糖尿病のタイプとしては、このインスリンの分泌が著しく低下するものを1型、インスリンの分泌はそこそこ行われているが、その働きが悪くなっているものを2型と呼んで分類している。
 いずれの場合にしても糖質をエネルギーに変換できない(しづらい)ため、血糖値ばかりが上がり、逆に体は(エネルギー不足で)衰えていくことになる。

 自らの体内でインスリンを生産できない1型や、2型でも著しいコントロール不良や妊娠中などの場合はインスリンを体外から摂取しなければならず、その方法としては皮下注射(部位としては腹部や大腿部など)のみ。
(経口摂取ではインスリンは効果を発揮できないので、内服薬は存在しない)

 注射の回数は患者によって差がある(1日1回~5回)が、毎日のことなので患者自ら(あるいはその家族)が注射を行う必要がある。

 現在は薬液と注射器が一体になったペン型のインスリン製剤が主流で、これに使い捨ての注射針をセットして使用する。
 インスリン製剤は、その効果や持続時間によっていくつかの種類があり、症例に合わせて種類や量(単位)を細かく調節していくことで、人体の自然なインスリン分泌のリズムに近づけていく(=血糖値のコントロールを安定させる)ことが目的。
 なお、量を多く打ち過ぎると、低血糖を引き起こすこともあるので注意しなくてはならない。

→AkiRaのケース(1日につき5回/2007年1月時点)
・超速攻型インスリン(毎食前)
  注射後、すぐに効果があらわれ、数時間で効果が消失するタイプ。
  (効果のピークは30分~2時間くらい)
・中間型インスリン(朝食前・就寝前)
  注射後、1~2時間で効果があらわれ、半日~1日くらいで効果が消失するタイプ。
  (効果のピークは8時間くらい?)

 画像は、2007年1月時点でAkiRaが使用しているインスリン製剤と注射針。
 針は静脈注射用の針に較べて大分細いので、運(刺しどころ?)が良ければ傷みを感じないことも多い。


dm3.jpg 何らかの理由により、血糖値が正常値(70~110mg/dl)を下回ってしまった状態のこと。
 個人差や症例によって違いはあるが、だいたい60mg/dl前後まで低下した場合に症状が出てくるケースが多い。
(血糖コントロールが悪い場合は、通常では正常値となる80mg/dl程度でも低血糖症状が出現することもある)

 主な症状は手足の震え、脱力感、空腹感、発汗、動悸、舌の痺れ、思考力の低下、頭痛などで、これも患者によって異なる。
 糖質(吸収の早いブドウ糖が最適)を摂取し、血糖値を上昇させれば症状はすぐに収まるが、放置した場合は昏睡に至って死亡する危険も。

 一般に、糖尿病の患者は血糖を下げる力だけでなく、血糖を上げるための力も不足するため、高血糖だけでなく低血糖にも注意しなくてはならない。

 特に1型の場合、血糖のコントロールをインスリン注射に頼らざるを得ないため、薬の量が増えた・食事量が減ったなどの理由で血糖値とインスリンのバランスが崩れやすく、低血糖を起こしやすい。

 なお、頻繁に低血糖を繰り返していたり、合併症による神経障害があったりすると、自覚症状のないまま倒れて昏睡に陥るケースもある。

 画像は、低血糖時に服用するためのブドウ糖(1袋10g)。
 非常用として鞄のポケットなどに入れっ放しにしていると、いつの間にか袋が破れて大変なことになっていたりする。

 ちなみに、ブドウ糖でも効果が薄い場合はグルカゴン(血糖値を上昇させるホルモン)注射を行うこともあるが、AkiRaの場合、これを血管に打たれると血管痛が結構辛い。
(グルカゴンは筋肉注射でも可能だが、こちらは未経験)


血糖値(グルコース)
【正常値:空腹時70~110mg/dl前後、食後2時間140mg/dl未満】
 血液中に占めるブドウ糖の量。
 高ければ高血糖となり、それが長く続くとさまざまな症状や合併症を引き起こす。
 逆に、極端に低くなっても低血糖となるため注意が必要。

 なお、空腹時血糖が正常値であっても、食後2時間の値が高い場合は糖尿病が疑われる。
 簡単な健康診断では空腹時血糖しか測定しない場合も多いので、不安であれば詳しい検査(ブドウ糖負荷試験など)を受けた方が無難。

HbA1c(ヘモグロビンA1c)
【正常値:4.3~5.8%前後】
 過去2~3ヶ月の血糖値の平均の指標となる血液検査。
 数日やそこらの変動では数値に大きな影響はないため、信頼性は高い。
 例えば、コントロール不良の患者が検査の直前になって慌てて血糖値を取り繕ったとしても、(HbA1cは高いままなので)すぐにバレてしまう。

 糖尿病患者は、この検査値をできるだけ正常値に近付けていくことが目標となる。
 AkiRaの場合、これが9%を超えると入院を勧められることが多い。

ターゲス(血糖日内変動)
 1日を通して複数回の採血を行い、その変動を調べる検査。
 毎食前、毎食後など、採血の回数はだいたい6回~8回。
 この検査で、現状における血糖値の変動の傾向(朝が高い、夕方に低い、など)を掴み、治療(インスリン量の調節など)に役立てていく。

 大抵は入院中に行われるが、そういう時は状態が悪い(=高血糖状態が続き、血管が弱っている)ことが多いため、採血の回数が積み重なると血管痛で地獄を見ることも。
 個人的には、できるだけ避けたい検査。

ケトン体
【正常値:陰性(-)】

 ケトン体とは、体内の脂肪が分解される際に増加する副産物で、血液や尿で調べることが可能(検査としては尿によるものが多い)。
 これが陽性(+)になるということは、血糖が極端に低い(低血糖や飢餓状態)か、血糖がエネルギーに変換できない(インスリンの不足や抵抗性)状態に陥っていることを意味し、この状態が続くと急激に体重が減少する。

 血中のケトン体が極端に増加すると昏睡から死に至ることもあるため、糖尿病患者にとっては常に陰性(-)を維持していかねばならない項目。
 HbA1cが高く、ケトン体が陽性となると血糖コントロールは相当悪い。

網膜症
 高血糖状態が長期に渡り続いて網膜の毛細血管が痛み、ついには破裂して出血を起こす(眼底出血)ことで発症する。
 放置すると失明することがあり、日本における中途失明者の多くの割合を占める。

腎症
 網膜症と同じく、長期の高血糖状態で腎臓の毛細血管が痛められることで起こる。
 進行すると、腎臓の濾過機能の低下から腎不全に陥り、最終的には人工透析が必要。

神経障害

 感覚・運動神経や自律神経が高血糖による障害で侵されることで起こり、知覚異常や麻痺などを引き起こすもの。
 痛みに鈍感になるため、足などに傷を負っても気付けず、その部位が壊疽を起こして切断を強いられることも。

 合併症の中では、比較的早期にあらわれることが多いとされる。
 特に、自律神経が侵された場合は低血糖の自覚症状が感じられなくなることもあるため、注意が必要。

 以上を、合わせて『3大合併症』と称することも。
 他の合併症としては、以下のものなどが存在する。

抵抗力の低下・感染症

 高血糖状態で細胞の働きが低下し、免疫力が弱くなることでさまざまな感染症にかかりやすく(治りにくく)なる。

糖尿病性昏睡

 急性合併症の一つ。
 著しく高血糖状態において血中のケトン体が増加し、血液が酸性になった状態(ケトアシドーシス)などで意識障害が引き起こされて昏睡に至る。

 処置が遅れると死亡することもあり、また低血糖による昏睡より回復が遅れる場合が多い。
(この二つは区別がつきづらい上、有効な対処が異なるので、正確な判断が必要)

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このブログについて

 初めてお越しの方は、まず、『はじめに』をご覧ください。

 リンクはフリーですが、コメント等で一言お知らせいただけると幸いです。

プロフィール
HN:
芳永明良(AkiRa)
年齢:
44
性別:
女性
誕生日:
1980/03/17
自己紹介:
 2003年、23歳で1型糖尿病を発症。
 なかなか安定しない血糖値に悩まされていたところ、夫・386によってMTBの道に誘われる。
 現在はレース出場を目指してトレーニングの日々。
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